なぜ5選でも10選でもないのか?
そこにはちゃんと理由があります。
僕も、ギターの歪み系エフェクター選びに奔走していた時期がありました。
今回、僕がオススメする歪み系エフェクターですが、技術が上がっても、音の好み、やりたいジャンルが変わっても重宝すると思うエフェクターを紹介しています。
なぜ、3選なのか?についても早速お教えしていきますね。
目次
歪みエフェクターの選び方
「とりあえずはこれを買えば間違いない」という歪み系エフェクターをご紹介させていただくのですが、紹介する歪みが多くなればなるほどそのキャラクターもバラバラになってしまいます。
「歪みの音作りが上手くできなくて~」って相談されることも多いんですが、元々持っているエフェクターがクセの強い歪みや音質だとしたら、いくらプロでもどうすることもできません。
色んな歪みのキャラクターを知るには、まずオーソドックスな歪みの音を基準として覚えることが大事です。
だから、あえてオーソドックスで定番の3選にしぼらせていただきました。
エフェクターを選ぶ際のコツですが、楽器屋さんにいって試奏する際にここで紹介している歪みエフェクターをあなたが興味のある歪みエフェクターと一緒に並べて繋いで試奏してみるといいでしょう。
楽器屋さんなら2つ3つ並べて繋いで試させてくれるはずです。(もちろん自分ですでに持っていてしっかり音を耳で覚えているのが一番良いです)
そうやって、定番のオーソドックスな歪みと並べて比べることで、あなたが興味のあるエフェクターがどんなキャラクターを持っているのかを認識しやすいです。
前に、「歪みはアンプでもエフェクターでも作るな!」で語らせてもらいましたが、とは言っても、「あのギタリストみたいにかっこいい音が出したいんだよー」ってギターを始めたばかりの方なんかは特にそう感じてると思います。
それを明確に知るためにも、まずは基本を押さえましょう。
BOSS (ボス) / BD-2(ブルースドライバー)
定番中の定番。
発売は90年代ですが、今も多くのギタリストに使用されている人気のエフェクターです。
僕の周りでは、ボーカルギターもリードギターも使っていて、とても幅広い歪みが出せます。
良いエフェクターって上手い人じゃないと使いこなせないものも多いんですが、この歪みは初心者から良い音が出て、しかも上級者も使っているという本当に幅広く愛されている歪みエフェクターです。
そして、安い!
ハンドメイドでエフェクターを作る方なんかは、回路図なんかも知ってるわけですけど、BOSSのエフェクターはかなりコスパが良いらしいです。
他のエフェクターなんかだと、自分で部品買って作ったほうが安上がりなのですが、BOSSに関していえば、制作にかかる時間、ケースの丈夫さを考えると断然買ったほうがお得だと。
けっこうハンドメイドのエフェクターって高いですけど、値段の大部分が手間賃なんですよね。
だから、よっぽどこの音が気に入ったって思えないのなら、僕はオススメしません。
BOSS(ボス) / SD-1 (スーパー・オーバー・ドライブ)
やっぱりBOSSかいっ!
こちらも超定番、発売は80年代から。
僕思うんですけど、「良い音」の概念って時代が変わってもあまり変わらないんですよね。
クラシックの世界なんて、まさにそれでしょう。
どちらかというと、良い音に空間系やモジュレーション系のエフェクトをどう掛けるかってのが流行り廃れに関係するものだと思います。
「これ、全然歪まねー!」って思う方もいるかもしれません。
それでいいんです。
ギタリストはソロなんかで、もう1段階音量や歪みを上げるためのブースターっていうのが必要になってきますけど、そのブースターとしてもこのSD-1は適してるんですよね。
メインの歪みが変わっても、ブースターとして使用できる使い勝手の良いエフェクターです。
また、逆にこれで良い音が出せるようになったら、ギターが上達した証拠でもあるので、ぜひ一挑戦してほしいエフェクターでもあります。
そういう意味ではBlues Driverよりも上級者向けかとは思いますが、80年代から続く定番品なので一度は試してもらいたい歪みエフェクターです。
IBANEZ ( アイバニーズ )/ TS808
そして、3つ目の定番。
こいつまた、全然歪まないんだなこれが。
なので、ブースターとして使用される方が多いです。
最近はあまり使ってる方見ないですが、僕はこのTS(チューブスクリーマー)を使ってるギタリストを見ると、「あ、この人上手い人だ」「あ、この人やれる人だ」って思っちゃいます。
「定番ばっか紹介しやがって」って感じですが、逆に定番ばかりを紹介しているサイトがあまりなかったんですよね。
いわゆる、現在の売れ筋ランキング ベスト10みたいなものには入ってこないと思いますが、どうしても、プロのギタリストが紹介するとなるとこうなっちゃいます。
こちらもSuper OverDrive同様、あまり初心者向けではないかもしれませんが、ここで挙げた3品って人気もあって需要も高いので、もし自分に合わなかったとしても他に使いたい人はたくさんいるので、買い取りしてもらったり、友達にプレゼントしたりもしやすく持っていて損はないので、そういった意味でもオススメしたいです。
↑こちらはTS808 35th Anniversary Limited Model
実際に歪み系エフェクターの使い方を知りたい方は、「歪みエフェクターの使い方 – 音作りの基本、ツマミの意味や設定」も参考にどうぞ。
企業目線で考える
いわゆるプロのギタリストの世界では、あまり歪みすぎるエフェクターは好まれない(音色のひとつとしてはもちろん使われますが、基本の音としてはという意味で)というのが僕の印象です。
理由のひとつは、「歪みはアンプでもエフェクターでも作るな!」で語ったことですね。
とはいっても、エフェクターを作ってる会社がプロという少ないキャパシティの中だけで売れてちゃ商売にならないわけですよ。
みんな、「もっと力強く太いサウンドが」「もっとサスティーンがほしい」と悩むわけですから、そんな想いを実現してくれる商品があれば、夢のような商品なわけです。
僕なんかもそうですよ。
例えば、オーガニックの野菜が栄養があって身体に良いのは知っていても、栄養も抜けて添加物のたくさん入った食べ物をコンビニで買うことがあります。
でも、安いし、便利だし、美味しいし、ありがたいものですよ。
それはそれで、どちらもちゃんと消費者のことを考えて作られているわけですから。
マーシャルが、Marshall JCM2000というアンプを出したのもそんな理由だと聞いたことがあります。
実際、初心者ほどJCM2000が好きで、上級者ほどJCM800やJCM900を好む傾向があります。
JCM2000は色んなチャンネルがあって、簡単にイコライザーでイコライジングできたり、音作りができますからね。
手元で音を作る技術がなくても、楽にかっこいい音が出せます。
もちろん、本人が満足するのが一番ですから、どんな形でもそれは自由ですが、「ギターの技術を向上させたい」とか「プロになりたい」と考えているなら、あまりエフェクターにこだわり過ぎないでほしいなぁ、と僕は思います。
もちろん、プロの方でもこだわる方はいますが、それはしっかり技術があって、音の聞き分けができているのが前提ですね。
おすすめ書籍
もっと、たくさん歪みエフェクターを観て比べてみたいって方は、こんな本もあるので参考にどうぞ。
▼ちなみに、ディストーション、ファズ編もありますよ