【ミックス講座Ⅱ 8/10】ベースの役割を意識したEQ、コンプ処理の手順とテクニック

ベースの音作りはバンド全体の中での役割を意識した低音のEQ調整、サブハーモニクスの使い方、音量を一定にするためのコンプ、さらにEQ、コンプと念入りな調整が必要です。

リズム隊、ベースとキックの関係の重要性などを踏まえ、歌などウワモノが混ざった時の聴こえ方を意識して編集していく方法を学んでいただければと思います。

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↓ボカロ曲「井ノ頭線」。作曲者はロックバンド Jeeptaのchoro。

↑この曲のミックス、マスタリングが完成するまでの全工程を対談方式で解説していきます。

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ース編集テクニック

03

【上原翔】
では、choroさんから受け取ったデータで、ベースのミックスや音作りに関してより詳細に説明していきます。

ベースに関しては、実はそんなに多くの音作りのバリエーションがある訳ではありません。僕の場合は、もうほぼ使うプラグインや設定というのがある程度決まっていて、その範囲内でやるという事がほとんどです。

低域というのは、再生環境によっては低音がしっかり再生されてないという事もあり、正確なところが分かりにくく、どれくらい低音を出せば良いのかというのが難しい所だったりします。

まず、全体の中でどういったベースの役割が良いかというと、基本的にどんなフレーズを弾いてようが、どんな場面であろうが、常に一定の低域量があるというのが好ましいです。

音量や、低域量がバラバラしてるようでは曲が安定しません。そういった事を踏まえて音を作っていきます。

僕の場合、ベースを調整する時は、常にキックとの兼ね合いで調整していきます。ベース単体で音を聞くというのは滅多にしません。

れがベースの音作りをする前の状態です。キックと同時に鳴らしています。

現状の状態だと、ベースの重心が高くて、このままだと歌やギターの部分とかぶってくるのと、曲の低域が安定しません。ベースをしっかり重心を落として、低域のレンジを広げるようにします。

▼こちらがベースの音作り後です

おおよそこんな感じで、歌類の邪魔をせず、重心を落として低域のレンジを広げているという事になります。実際、どうしたのかというのをプラグインの設定を見ながら解説していこうと思います。

ず、ベースのサブハーモニクスです。

image07
僕はほぼベースにはこのRBassというプラグインを使います。ベースの低域を足すプラグインです。これを入れて、低域を伸ばしてレンジを広げるという役割です。

Freqはもうだいたい70Hzです。動かしても65Hzまでくらいですね。70Hzから上に設定する事はほぼしないです。

Intensityはケースバイケースですが、いつもはだいたい-12dBくらいにする事が多いです。今回は打ち込みベースで元々の低域量が結構多かったので、-17dBと結構少な目に設定しています。

れの次にコンプを入れます。

image00
僕はベースのメインコンプはこのコンプを使うのがほとんどです。ベースのコンプの役割としては、とにかくベースの音量を均一にするという事です。ベースでのコンプはかなり重要なんですね。設定はほぼどんな曲や素材でもあまり変える事はしていません。

基本的な設定としては、アタックが20msec、リリース200msecくらいで、リダクションは-6dBくらいかかるようにします。

なぜこうするかと言うと、音量をとにかく一定にしたいので、常にコンプが掛かってるようにする為、リリースは遅めにします。テンポの速い曲だと150msecくらいまでは速くする事もあります。

そのリリースが遅めという事に対して、基本的にはアタックは少し遅めにして、一定にリダクションは掛かっているけども、アタックまではなるべく消えないようにします。ベースのアタックがなくなり過ぎるとそれはそれで曲のノリがペタっとしていまいます。

今回、10msecまで速めてるのは打ち込みベースで元々アタック成分が多かったからです。
この辺りは、曲のノリや素材自体で音を聞いて判断していきます。

の次にEQを入れます。

image01
色々試した痕跡がありますが(笑)結局この設定に落ち着きました。

基本的な所としては、RBassなどのサブハーモニクスを入れた場合は余分な低域量が増えすぎるので、30Hz~40Hzあたりでローカットを入れます。この辺りはキックや全体の兼ね合いで聞きながら決めます。

後は、ベースの音程感を出したい場合は80Hz~200Hzあたりでブーストする事が多いです。ベースのラインを見せたいときは2kHz辺りをブーストする事もあります。

後に少し全体を慣らす為にもう一段コンプを入れます。

image05
これはリダクションが1dBくらいで、あくまで薄くかける程度です。EQを入れると多少音量が凸凹するので、それらを抑える為ですね。

僕の場合はほぼこんな感じでベースの音を作ってます。

ベースとキックの音というのは、意外に全体の音の抜け感に作用してきます。なんか全体がこもってるなとか、歌が抜けてこないな、という事があればまず低域が多すぎないかを疑います。抜けが悪いからといって、安易に他の楽器や歌のEQを上げるという事はしないようにする事ですね。

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choro

2010年、Jeeptaギタリストとしてメジャーデビュー。音楽教室「コロイデア音楽塾」代表。作詞、作曲、アレンジ他、現在もメジャーアーティストを中心に(takekings、CANDY GO!GO!、サナダヒデト等)サポートギタリストとしても活動中。
バンドマンの本音、ファンとアーティストの関係、音楽ビジネスの正体など、音楽業界のウラ話を書いた「 ギタリストchoroの音楽よもやま話」は月10万PV以上の人気サイト。