【ミックス講座Ⅱ 10/10】ドラムの音作りはEQよりもコンプが大事

バスドラはアタックの調整、ハイハット、スネアはリリースの調整をコンプでしてあげることが大事です。

ドラムは、キック(バスドラム)、スネア、ハイハットなど多数の音で成り立っているのでバランスの調整が難しいものですが、大事なのは、コンプレッサーのアタックやリリースをコントロールすることで音を前に出したり、ノリやグルーブを作っていくということです。

回使用した楽曲はこちら

↓ボカロ曲「井ノ頭線」。作曲者はロックバンド Jeeptaのchoro。

↑この曲のミックス、マスタリングが完成するまでの全工程を対談方式で解説していきます。

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【ミックス講座】ボカロ曲「全力症状」カテゴリー
【ミックス講座Ⅱ】ボカロ曲「井ノ頭線」カテゴリー

ラム編集テクニック

03

【上原翔】
では、choroさんから受け取ったデータで、ドラムのミックスや音作りに関してより詳細に説明していきます。

ラムで一番大事なのは、アタックとリリースのコントロールです。

ドラムというのは、言うまでもなく、曲のアタックというところを大きく担っている楽器です。ここのアタックという部分をおろそかにすると、曲全体がペタッと平坦なものになってしまいます。

そして、ドラムのリリースという音が切れるまでの長さという所は曲のノリに大きく作用してきます。リリースをちゃんと調整しないと、楽曲のノリがなくなってしまいます。

このアタックとリリースというのをしっかり意識して音を作らないと、楽曲のダイナミクスがなくなってしまうんですね。ドラムの音作りというのはアタックとリリースを最適にするのが最重要項目です。

にアマチュアの音源等だと、このアタックという部分が凄くおろそかになっている事がとても多いです。

アタックというのは意識して聞かないとなかなか気づかない部分なのかもしれませんね。

まず、一番簡単な方法として曲にアタックを付けるには、音量的にキックをしっかり出す事です。キックは埋もれる事がすごく多いです。よくありがちなのが、Aなどの静かな部分ではキックが聞こえてるのに、サビに入って音数が増えた時にキックが埋もれて、サビに入ってるのに勢いがなくなっているというのは良くあるパターンです。

スネアも同様ですね。どの場面でも一定の音量がしっかり聞こえてる事が曲のアタックを出す事においてとても重要です。

ず、サビに入った時に埋もれてしまうパターンを例に聞いてみます。

これは、アタックやリリース、ボリュームを調整していないものです。

これだとノリが平坦で、サビに入った途端アタックの成分が減るので勢いもなくなっています。

にアタックとリリース、ボリュームを調整したものを聞いてみます。

こちらはアタックを強めて、リリースも長くし、サビで下記の画面のようにボリュームを上げています。画像の右側の1Cとなっている所がサビ部分ですね。image08
これくらい上げて、おおよそサビで音数が増えてもドラムが埋もれない感じになっています。

このようにして、ドラムはどの場面でも一定に聞こえるようにして、ドラムのアタックもしっかり出ている事が大事です。

にリリースです。リリースの調整が必要なのは、主にキックとスネアです。

リリースというのは、要は余韻の長さという事なんですが、その余韻の長さを調整して曲のノリというものを作っていきます。

曲にもよるし、そのドラムの音によるところも大きいんですが、イメージとしてはキックの余韻とスネアの余韻が少しずつ被るような感じにするとうまくキックとスネアが繋がっていきます。もちろんハイハットやライドなどの刻みものもその余韻の間でしっかり鳴っているも重要です。

ちょっと分かりにくいかもなのですが、リリースを調整してないものとしたものを聞き比べてください。


▲リリース調整前


▲リリース調整後

こうして単体で聞いてみると結構微妙な差なんですが、こういった所でミックスは戦ってます(笑)

アタックとリリースの作り方ですが、基本的にコンプを使って調整します。スネアは特にリリースが重要なので、そのアタックとリリースの兼ね合いを取りながら設定していきます。

回、スネアに使ったコンプはこちらです。

image04
リダクションは大体平均して3dBくらい掛かるようにしています。アタックの設定値はいつもこれくらいですが、リリースは曲のテンポによって変えます。今回はバラード曲なので、リリースの設定値は少し遅めにしています。曲のテンポが速くなれば、リリースの値も速くします。

この設定でも十分だったのですが、もう少しだけアタックが欲しかったので、アタック成分を加えるトランジェントデザイナーを使いました。

image07
ただし、アタックを加えすぎると、リリース感が無くなってくるので、ほどほどにしています。

ラムの音作りは、スネア、キックの他にもう1つ重要なパーツがあって、それがハイハットとライドシンバルです。

ハイハットとライドは常に刻んでいるパーツですが、この刻みパートもしっかり聞こえないとリズムに流れが生まれません。

よくありがちなのが、ハイハットはよく聞こえてるのに、ライドを叩いてる所になると全然聞こえないというパターンがよくあります。あと、ハイハットクローズとハイハットオープンの音量差がかなりあって凸凹しているというのもよくあります。

こちらもキック、スネアと同様に、聴感上常に一定量のアタックと音量がしっかり聞こえてる必要があります。

サビに入った時、ライドにいくようなパターンも多いですが、刻みが聞こえないとスピード感が一気に落ちるので、聞こえない場合はとにかく音量を上げます。

ハイハット、ライドの音量はどの場面でも関わらず、常に一定の音量が聞こえてるようにする事です。

とにかくドラムは全体として、常に一定の音量が聞こえてるという事が一番重要ですね。

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ABOUTこの記事をかいた人

choro

2010年、Jeeptaギタリストとしてメジャーデビュー。音楽教室「コロイデア音楽塾」代表。作詞、作曲、アレンジ他、現在もメジャーアーティストを中心に(takekings、CANDY GO!GO!、サナダヒデト等)サポートギタリストとしても活動中。
バンドマンの本音、ファンとアーティストの関係、音楽ビジネスの正体など、音楽業界のウラ話を書いた「 ギタリストchoroの音楽よもやま話」は月10万PV以上の人気サイト。