【ミックス講座 6/9】ボーカロイド調教の基本!VOCALOID Editorのパラメータをプロのエンジニアが徹底解説!

ボーカロイドのパラメータにある、VEL(ベロシティ)、DYN(ダイナミクス)などは通常DTMなどで使われるその言葉とは違う意味を持っていたり、BRE(ブレシネス)、BRI(ブライトネス)、CLE(クリアネス)、OPE(オープニング)、GEN(ジェンダーファクター)、POR(ポルタメントタイミング)など特殊な名称のものがあります。

初心者の方はもちろんのこと、DAWソフトやmixなどを使用しているものにとっても聞きなれない言葉で困惑するものです。

ここでは、プロのレコーディング、ミキシングエンジニアの上原翔に、ボーカロイドのパラメータがどのような効果があるのか?DAWソフトのプラグインなどに例えて語ってもらっています。
編集技術の上達にもなると思うので、ぜひ参考にしていただければと思います。

の楽曲が完成するまでの作業工程をお見せしています

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では、対談形式で、ミックスが完成するまでの流れをご覧ください。

choro

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今回は上原さんにボーカロイドの編集テクニックについて伺おうと思います!
まずはじめに、ボーカロイドソフトのパラメーターが、エンジニアが使うパラメーターとどう対応しているのか知りたいです。

ボカロのエディタ

 VOCALOID3のパラメーターには、VEL、DYN、BRE、BRI、CLE、OPE、GEN、POR、PITといったパラメーターがあるんですが、ボーカロイド特有と思われる下記のパラメーターについて説明してもらえますか?


▲パラメータ変更なし

これに各パラメータの、最小値、最大値で比較していきますね。

▼最小値
ボカロのエディタ-最小値

▼最大値
ボカロのエディタ-最大値

choro

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VEL(ベロシティ)…音量・発音系

「さ」「た」「は」行など子音の長さを調節。この値が小さくなると短く歯切れよく発音され、値を大きくすると伸ばし気味に柔らかく発音するって感じのパラメーターです。


▲VEL最小値


▲VEL最大値

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なるほど。これをエンジニア側で再現するとなると少し難しいところもありますね。

例えば長い音を短くするのは比較的簡単なんですが、短い音を長くするのは難しいです。短い音を長くする際にタイムストレッチというものがありますが、長くすれば長くするほど音質が不自然になってしまいます。

なので、音の長さは可能な限りボーカロイド側で調整した方が良いですね。

choro

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BRE(ブレシネス)…音量・声質系

声に含まれる息の量を調節。値を大きくすると息の量が増えハスキーな声質になるみたいです。


▲BRE最大値(デフォルトが最小値のため、最大値のみ)

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基本、エンジニアがこのパラメータを触るとしたらそういった専用のプラグインを持ってないと出来ないですね。

僕が知ってる限りでは、Antares Audio Technologiesから出ているA VOXというプラグインバンドルでこういった事を調整出来そうですが、僕はこのプラグインを持ってないので調整出来ません。

プラグインに関しては下記のリンクを参照にしてください。

AVOX Evo 各プラグインの詳細

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BRI(ブライトネス)…音量・声質系

声の明暗。値を大きくすると声が明るくなり、小さくすると落ち着いた声質になるようです。


▲BRI最小値


▲BRI最大値

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エンジニアの作業としてEQで中高域を上げるものとほぼ同じ感じです。

BRI最大値だと音質的なバランスが良さそうなので、オーディオデータで書き出してもらう際にはBRIのパラメーターを上げてもらった方が良いかもしれません。

この作業自体はエンジニア側でも可能です。

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CLE(クリアネス)…音量・声質系

声の張り具合を調節。値を大きくするとシャープで張りのある声になるようです。


▲CLE最大値(デフォルトが最小値のため、最大値のみ)

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これはEQで高域を上げるような感じですね。ただし、ミックスでは基本サシスセソ音に含まれるような高い成分を抑えるようにするので、これはあまり上げすぎない方が良さそうです。

choro

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OPE(オープニング)…音量・声質系

口の開け具合を調節。値を大きくすると口を大きく開けたよく通る声に、小さくすると口を閉じてくぐもったような声になるようです。


▲OPE最小値(デフォルトが最大値のため、最小値のみ)

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EQで高域を落とすなどして再現出来なくもなさそうですが、音を聞く限りでは言葉によって変化が変わっているので、これと同じ事をして欲しいとなるとかなり難しいですね。

これは基本デフォルトの最大値の方が良さそうです。最小値にしてしまうと、音質的にこもり過ぎているので、結局EQで高域を補正する事になりそうなので、この値を触るなら適度にしてもらった方が良いですね。

choro

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GEN(ジェンダーファクター)…声質系

声質調整。値を大きくすると低音域の強い男性的な声に、小さくすると高音域の強い甲高い声質になるようです。


▲GEN最小値


▲GEN最大値

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これは完全に声の成分が変わってますね。これをエンジニア側で再現するとなると先ほど紹介したような声を変化させる事の出来る専用のプラグインが必要です。

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POR(ポルタメントタイミング)…音程変化

音程の異なる2つの音符の音程が変化するタイミングを調節。
値を大きくすると遅いタイミングで、小さくすると早いタイミングで音程が変化する感じです。


▲POR最小値


▲POR最小値

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これはピッチが上下しているので、ピッチを補正出来るオートチューンなどである程度再現が出来そうです。ただし、エンジニアが使うオートチューンなどはあくまで少しだけ表現を足す、補正する程度なので、ニュアンスまでを変える事は難しいですね。

choro

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ありがとうございます。

今回、ボーカロイドの声の編集を上原さんに全てお願いしたのは、僕が実際このパラメーターをいじってみて、これだったらミックスの編集で使うテクニックだと思うし、より高機能に波形を使って編集できるエンジニアさんにお任せしたほうがいいと思ったからなのですが。

改めてボーカロイドソフトのほうでしか編集できないものってこの中にありますか?

こちらがボカロ編集前の音源です↓↓

▲Demo3-Zenryokushoujyou

こちらがボカロ編集後の音源です↓↓

▲Rough1-Zenryokushoujyou

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エンジニアがやる事としては、声そのものに表情を足したり、整えたり、聞こえやすくしたりという事しか基本的には出来ないんですね。

声のキャラクター自体を変えるという事は出来ないんです。極端に言えばchoroさんが歌ったものを上原が歌ったものに変えるといった事は出来ないという事です(笑)

なので、声質を変える辺りのパラメーターはchoroさん側で調整してもらう必要がありますね。

choro

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なるほど。

実際に上原さんに編集してもらって、かなり声や発音が人間っぽくなったのですが、どのようなテクニックを使ったのでしょう?

また、実際に完成までに行った作業を全て教えてもらえますか?(次回に続く)

次の記事はこちら
【ミックス講座 7/9】プロのエンジニアが教えるボーカロイドの調教テクニックとコツ

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【ミックス講座 5/9】バンドの楽曲制作、作曲の仕方、アレンジのコツ

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choro

2010年、Jeeptaギタリストとしてメジャーデビュー。音楽教室「コロイデア音楽塾」代表。作詞、作曲、アレンジ他、現在もメジャーアーティストを中心に(takekings、CANDY GO!GO!、サナダヒデト等)サポートギタリストとしても活動中。
バンドマンの本音、ファンとアーティストの関係、音楽ビジネスの正体など、音楽業界のウラ話を書いた「 ギタリストchoroの音楽よもやま話」は月10万PV以上の人気サイト。