【ミックス講座 8/9】打ち込みドラムをコンプ、リバーブを使ってミキシングするテクニック

アンビエンスという部屋鳴りが生のドラムらしさだったり、一体感、奥行き、迫力を生むひとつの要因ですが、それを打ち込みのドラムで再現するのは難しいもの。

今回はCUBASEの打ち込みドラムを元に、そこからミックスしていったのか、コツややり方を掴んで上達に役立てて頂ければと思います。
ベースとのバランスの取り方、リズム隊のミックスについては次の記事で紹介していきます。

の楽曲が完成するまでの作業工程をお見せしています

「全力症状」ミックスのカテゴリー記事一覧はこちら

では、対談形式で、ミックスが完成するまでの流れをご覧ください。

choro

02
今回は上原さんにドラム、ベースの編集テクニックについて伺おうと思います!

まず、ドラムに関してですが、今回は僕が打ち込んだMIDI音源を元に上原さんのほうで改めて打ち込んでもらった形だと思うのですが、僕のMIDIデータを元にした理由と、実際にどのようにして打ち込み直していったのか教えてもらえますか?
ドラムエディタ1
▲こちらが元の僕が打ち込んだドラムです


▲choroDrums

これは僕の打ち込んだ1サビ部分のドラムのMIDIデータです。

下の棒状のパラメーターがベロシティ(音量)の大小を示しているのですが、生のドラムっぽさを出すために、こんな感じで1音1音ボリュームに強弱をつけています。

これは普段からやっている作業です。後は演奏データのみで、この状態で上原さんに渡してます。

03
choroさんからMIDIデータでもらったので、僕の環境でもMIDIデータとしては全く同じものになっています。choroさんからもらったデモの段階で、フレーズとか、強弱という部分でかなりうまくドラムが打ち込んであったんですよね。これは僕が一から打ち込んでも敵わないなと(笑)

ただ、音色がもう少しこちらで差し替えた方が良さそうだったので、MIDIデータ自体はそのまま使って、音色を差し替えるという方向に決めました。

choro

02
なるほど。となると音色でドラムを生っぽくしていく作業があったと思うのですが、具体的にどんなテクニックを使って作業しているんでしょうか?

03
ドラムを生っぽくという事だったので、単純に生音に近い音色にまず差し替えました。ベロシティ等は大きく変えていません。MIDIではこういったフレーズだけはそのままで音色だけを差し替える事が出来るので便利ですよね。

音色はもう10年以上前のサンプリング音源なんですが、クリプトン社のDRUM SERIES 1 / GIGAというものから選びました。現在は廃盤になってるのでもう手に入らないかもです。

DRUM SERIES 1 / GIGA

今はもっと生音の再現がより精巧なドラム音源があったりするんですが、そういったものを僕は持っていないので、現状持っている音源では上記が一番生っぽい音源です。

上原が音色を差し替えたドラムです

▲ShoDrums

choroさんが打ち込んだドラムでもミックス次第でなんとかなりそうな感じでもあったのですが、生っぽさという面ではやはり音色を差し替えた方が良さそうでしたね。

それで、ロックでの生ドラムとなってくると、やはり荒々しさというのが重要になってきます。これはミックスの部分での話にもなってくるのですが、そういった雰囲気を出すにはアンビエンスという部屋鳴り感が重要になってきます。

通常生ドラムの録音では、オンマイクと言われるスネアやキック、タムなどに数センチの距離で立てます。その他に、部屋の鳴りを集音する為にドラムから距離を離して立てるマイクをアンビエンスと呼んでいます。

僕の場合は、そのアンビエンスで録れた部屋鳴りの音にもうかなり深くコンプレッサーをかけてもの凄く荒々しい音にするんですね。その音を各オンマイクの音との混ぜ具合で荒々しさを調整していきます。

でも今回の場合は打ち込みでそのアンビエンスが無いので、疑似的に再現したものを作りました。

どうやって作ったかと言うと、かなり仕組みは単純なんですが、各それぞれの単音をまとめてステレオ2ミックスにします。それの2ミックスでまとまったドラムのタイミングを単音の音源より少し遅らせてみました。

音が空気中を伝わる速度は結構遅いので、オンマイクに比べてアンビエンスのマイクで録れる音は少し遅れて録音されるんですね。もうほぼ無理やりですが再現してます。

choro

02
実際に「全力症状(ZENRYOKU syndrome)」のパート別mp3をダウンロードしてファイルを見させてもらったんですが、実際の生ドラムを録った時と同じようにトラックが再現されてビックリしました。

アンビエンスの再現もそうですが、スネア、シンバルなど別々のトラックになっていて、これも生の録音では当たり前のことですが、打ち込みでは1トラックで編集することが普通なのでビックリしました。

全力症状(ZENRYOKU syndrome)ダウンロードサイト

03
それにコンプレッサーもかなり深くかけて荒々しくしてます。その疑似的に再現したアンビエンスの音が下記です。


▲AmbDrums

この音の混ぜ具合でロックドラム感を調整していきます。

これが実際にアンビエンスも混ぜて、音作りもしたドラムです。


▲MixDrums

これは、完成品のドラムだけを抜き出している状態なんですが、ミックス作業でキックがどうも打ち込みドラムでは低音が足りなくて軽かったので、以前僕が実際に録音したバンドのドラムキック素材を持ってきてそれに差し替えました(笑)

ちなみに、BFDのような生ドラムの音を再現してマイクの位置やドラムの音を細かくいじれるようなドラム音源だと上記のような音をずらすようなアンビエンスの作り方をしなくても、ソフトウェアからアンビエンスが作れたりするので、今回やった方法はかなりイレギュラーなやり方ですね。

BFD3 リンク

choro

02
なるほど。ありがとうございます。

次に、ベースについてなんですが、ベースについてはMIDIデータではなく、僕のほうで作ったオーディオデータをそのまま使って頂いた形ですが、その理由は何なのでしょう?
ドラムエディタ2

ドラムエディタ3
これが上原さんに渡した元のベースです


▲choroBass

上の画像が、僕の打ち込んだ1サビ部分のベースのMIDIデータです。ベースもドラムと同様に、ベロシティを1音1音変えています。

下の画像が、MIDIデータにプラグインしたエフェクターです。MIDIデータは演奏データであって、「音」ではないので、このようにピックベースの音源を選び、ベースの音が出るようにします。アンプシュミレーターでさらにアンプを通した音を再現、コンプレッサーも音作りで使ってます。

03
ベースを差し替えなかったのは、いくつか僕の持ってるベース音源で差し替えてみたのですが、いまいち合う音がなくて、結局一番良かったのがchoroさんが作ったベースの音が一番良かったという事です。

▼こちらが音作りをしたベースです▲MixBass

ベースやドラムの音作りに関してはまたミックス編で詳しく説明できればと思います。

choro

02
ありがとうございます。

では、次回またミックスについてのお話で詳しくお伺い出来ればと思います。よろしくお願いします。

次の記事はこちら
【ミックス講座 9/9】ボーカル、ギター、ベース、ドラム、全体の音量バランスと一体感を生み出すコツと方法

前の記事はこちら
【ミックス講座 7/9】プロのエンジニアが教えるボーカロイドの調教テクニックとコツ

「全力症状」ミックスの記事一覧はこちら
「全力症状」ミックスのカテゴリー

後に

今回のテーマ楽曲『全力症状』は無料ダウンロードが可能です。

パート別「歌ってみた」、「演奏してみた」はもちろん、歌詞・メロディ・編曲をアレンジした作品、本作品を使用したムービー制作など、幅広い用途で利用可能なので、ご興味のある方は下記のページでダウンロードしてみてください!

全力症状(ZENRYOKU syndrome)無料ダウンロードサイト

 

オリジナル記事『マナスタ!』

スポンサーリンク

あなたにおすすめの記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

choro

2010年、Jeeptaギタリストとしてメジャーデビュー。音楽教室「コロイデア音楽塾」代表。作詞、作曲、アレンジ他、現在もメジャーアーティストを中心に(takekings、CANDY GO!GO!、サナダヒデト等)サポートギタリストとしても活動中。
バンドマンの本音、ファンとアーティストの関係、音楽ビジネスの正体など、音楽業界のウラ話を書いた「 ギタリストchoroの音楽よもやま話」は月10万PV以上の人気サイト。