ギタリストにとっては基本中の基本なので、慣れれば簡単なFコード。
だけどはじめての方にはとても難しいコードです。
プロとして活動している僕も、Fコードを覚えるのには半年以上かかりました。
レッスンをしていて、「Fコードって、どのくらいで弾けるようになりますか?」という質問もけっこうもらうのですが、マスターするまでの期間は本当に人それぞれ。
できる人は、1か月もかからずにできますが、レッスンを受けずに独学で勉強される方であれば、僕のように半年練習してもできない人もいます。
ただ、しっかり正しい方法で練習すれば、僕のように半年もかからずにFコードを必ずマスターできるようになります。
Fコードの押さえ方
▼まずは、Fコードの押さえ方



▲フレットボード表の見方はタブ譜と同じ。
一番上が1弦、一番下が6弦です。慣れるまでちょっとややこしいですが、ギターを構えて覗き込んだような見方になります。
このFコードのコード表は、ネット上探せばたくさん見つかりますが、押さえ方がわかったところで実際にFコードが押さえられるようにはなりません。
レッスンの動画は、けっこう色んな方が見ると思いますが、かなり観察力がない方でないと無料の動画だけ見て成果を出すのは難しいです。
たとえば、この画像を見て、「手の甲がどれくらい見えてるか?」「手首から腕にかけての角度はどれくらいか?」を見てみたでしょうか?
ギターは、テコの原理のような一番力が入りやすい形で押さえることが大事なので、指先から肩にかけてどうなっているかを見ることが大事です。
上から見た時の形が大事
Fコードの押さえ方のレッスン講座なんかを、写真や動画で見ても押さえられないのは正面からしか見ていないから。
この正面からの視点って、鏡でも使わない限り、自分じゃ確かめることができませんよね?
自分で正しく押さえられているか、はっきり分からないフォームを参考に練習しても、そりゃ弾けるようになるはずがありません。
▼では、早速上から見てみましょう

▲どうですか?同じように押さえられていますか?
もしかすると、上から見た感じが今のあなたと押さえ方と違っているんじゃないでしょうか?
人差し指、中指はかなり左側に力が傾いてますよね?
また、親指から手首、腕にかけての角度も注目して見比べてみてください。

▲こちらは、ギターを持っている僕の目線から撮影したもの
実際に弾いている状態の顔の位置からだと、こんなふうに少し斜めから見下ろした感じになると思います。
この状態でも、指の角度、手首や腕の傾きを見比べてみてください。
後ろから見た時の形も大事
上から見た時もとても大事なのですが、後ろから見た時の形もものすごく大事です。
「人差し指で押さえているところがならない」っていうのが、Fコードを押さえられない方の悩み。
あなたも1弦2弦あたりがならなくて困ってるんじゃないでしょうか?
初心者の方の多くは、人差し指の力で弦を押さえようと考えがち。
でも、実際は違うんです。
▼後ろから見たFコードの押さえ方

▲親指に注目して下さい。
親指が、どのくらいの位置に置かれているかがとても大事なんです。
ギターって、前側の4本の指だけで押さえるんじゃないんですよ。
親指ではさむことで指に力が入るんです。
試しに、この状態で親指を離してみて下さい。
他の指にも全然力が入らなくなりますよね?
ですから、この親指をどこに置くかがとても大事。
ポイントは、音が鳴らない弦やフレットの近くに親指を置くこと。
そうすると、前の指にも力が加わり、鳴らなかった音が鳴るようになってきます。
まずは気にせず、パワーコードから練習しよう
エレキギターを練習されている方は、割と馴染みがあるかもしれませんが、アコギの場合、きちんとしたコードを覚えることが最優先とされてしまいがちなので、パワーコードを知らない方もいるかもしれません。
「パワーコード」とは、Fコードの形を省略した押さえ方のことです。

覚えたい曲を練習している時に、途中でFコードが出てきてしまって挫折してしまうケースってあると思うんですよね。
そんな時は、まずFコードのような難しいコードをパワーコードにして覚えてしまったほうがいいです。
やはり初心者の一番の上達のコツは、できるだけ毎日ギターに触れること。
省略といえども、Fコードと同じ押さえ方が3つあるわけですから、これをしっかりマスターすれば、残り3つ。
そんなふうに少しずつ押さえる弦を増やしていきましょう。
▼パワーコードの押さえ方についての動画も用意しているので、参考にしてみてください
この記事で解説したように、ギター練習のコツは、見えないところに秘密が隠されています。
普段注目して見ているところから、ちょっと視点を変えれば、パッと弾けるようになるヒントが隠されています。