初心者のうちはコードが弾けるようになるだけで嬉しかったり、ギターソロが何よりかっこ良く見えてくるものですが、ギターのスキルが上がるに従ってカッティングのかっこ良さに気づく方も多いと思います。
中級者のうちは、ただ好きなギタリストのカッティングをコピーするだけでも楽しいものですが、上級者になればなるほどアレンジを加えたり、自分でカッティングフレーズを作りたくなってくるものです。
だったら、最初からそうなれるように学んだほうがいいですよね?
なので、ここでは後に応用の利くようなカッティングの練習のやり方をお教えしていきたいと思います。
目次
目標にしたいフレーズ
まずは、最終的に目標とするフレーズを確認しましょう。
もちろん、いきなりこのフレーズを練習しても弾けるようにはなると思いますが、どのような順序でこのフレーズを練習して弾けるようにしていくかということが大事なんです。(動画0:00~)

このフレーズが、どのように組み立てられて出来上がっているのか?
それを1から学んでいくことで、今度は複雑なフレーズを分解する能力が身に付くわけです。
右手と左手を分離して弾けるようにしよう
先程の目標のタブ譜を目指して、少しずつ右手と左手を分離する感覚を養っていきます。
タブ譜はパワーコードで記していますが、コードが押さえられる方はハイコードで全ての弦をセーハする形で挑戦してみて下さい。
まずは左手のみの練習

▲リズムはそのまま、コードだけ一度ワンコードAmのみにしたもの(動画3:26辺り~解説)
さらに、これを1小節単位に振り分けます。
カッティングのリズムが上手くいかない原因って、裏の8分音符で弾くところや1小節目と2小節目がまたぐところだったりするんです。
「ワン、ツー、スリー、フォー」とカウントを取った時、どの音がワンと同時になってるのか、どの音がツーと同時になってるかが分からず弾いている間はいつまで経ってもリズム感は身に付きません。


▲なので、まずはこういうふうに1小節単位に切り取って細かく練習しましょう
次は右手の練習
ひと通り、左手の弦を押さえるタイミング、ミュートするタイミングのリズムを身体で覚えたら右手の練習に入っていきます。

▲左手を押さえたり、ミュートしたりすると上のフレーズが演奏できますが、この時右手は常にジャカジャカ弾き続けていることに気づくでしょうか?(動画4:32辺り~解説)

▲左手を押さえっぱなしにしたら、右手はただこうやってジャカジャカ8分音符を弾いてるだけですよね?
ただ、ジャカジャカ弾き続けるだけならリズムよく弾けるのに、カッティングとなると急に右手のリズムまで崩れてしまう。
左手が複雑な動きになると、右手の複雑な動きをしているように錯覚してしまうんですよね。
「右手はただずっとジャカジャカしてるだけじゃん」と気づけば、しっかりグルーブのあるカッティングフレーズが弾けるようになります。
これは、もっと難しいフレーズでも一緒です。
右手は意外とシンプルなリズムを弾いていて、左手の動きが高度になってくるだけなので、しっかりこういう簡単なフレーズで右手と左手の意識を叩きこみましょう。

▲右手がただジャカジャカ弾いてるだけだと気づいたら、右手のリズムをしっかり意識しながらもう一度このカッティングフレーズを練習していきます。
左手の動きを増やしていく
ここまでしっかりできるようになったら、ここから左手のコードチェンジを増やして練習していきます。(動画5:34辺り~解説)
▼早速下のフレーズを弾いてみましょう

左手の押さえるタイミング、ミュートするタイミング、右手はジャカジャカ弾くだけといった部分は今までと全く変わっていません。
ただ、押さえるコードが変わっただけです。
これくらいなら、すぐに弾きそうですよね。
こうやって、少しずつ左手の動きを増やして練習していくことが上達の秘訣です。
オルタネイトピッキングが難しければ、最初は全部ダウンピッキングでもオッケーです。
さらに左手の動きを増やしていく
ここからは要領はは一緒です。
左手の押さえるタイミング、ミュートするタイミング、右手はジャカジャカ弾くだけといった部分はそのまま。
▼コードチェンジのタイミングだけ早めていきます。(動画6:50辺り~解説)

コードチェンジのタイミングが倍になっただけで、先程のフレーズが弾けたらそれほど難しくはありませんよね?
このようにして、少しずつ少しずつ目標のフレーズに近づけていくことで、小節ごとのリズムやコードチェンジのタイミングを頭で理解できるようになり、上手くなるにつれ自分でアレンジしたりすることが可能になってきます。
「ここまでやったら、目標のフレーズが弾けるようになるまでしっかり練習の順序を学びたい!」って方は、次の記事で解説していますので、こちらをどうぞ▼
おすすめ書籍
この記事では「グルーヴ」といった言葉を前面に出して解説はしていませんが、グルーヴ感を出すということはしっかりとしたリズム感を身に付けるということ。
特にカッティングはギターの奏法でも奥が深いので、色んな方のプレイや色んな方の教則本を読んで学ぶのがいいでしょう。
この本は、初心者から中級者向け。
CD付きなので、実際に音を確認しながら段階的に学ぶことができます。