初心者を抜けたらギターソロに挑戦!と思っても、なかなか中級者でもかっこいいソロを作るのは難しいものです。
タブ譜や譜面を探して定番のフレーズをコピーして引き出しを増やしても、なかなかアレンジの方法は浮かばないですよね。
おすすめの考え方があるので、まずは定番のペンタトニックスケール(ペンタ)を使って、弾き方のパターンを覚える練習をしましょう。
目次
ソロは5W1H法で作る
「いつ」「どこで」「だれが」「何を」「なぜ」「どのように」ってやつです。
昔、学校で一人ずつ書いて後ろの席に回すゲームをして遊んだような…。
ギターでソロやアドリブを弾くってなると、ついつい手持ち無沙汰でダラダラと弾いてしまいがちになるんですが、歌の歌詞やメロディにはちゃんとストーリーやダイナミクスがありますよね?
そういった音楽性を失わないために、ギターソロにも歌詞をつけて、自然とストーリや表情を伴った演奏ができるようにしていくことが大事です。
まずは単語作り
いきなり、歌詞を書けと言われても、曲を作ったことのないギタリストにとっては難関だと思うので、先ほど紹介した5W1H法の、
「いつ、どこで、だれが、だれに、なにを、どうしたか?」
で、文章を作っていきましょう。
「いつ」だったら、「今日」とか「明日」とかですね。
そんなふうにして、一文節に3つくらいのバリエーションで単語を作っていきましょう。
僕はこんなふうに作りましたよ
「いつ?」
①今日 ②明日 ③はるか昔
「どこで?」
①山で ②遊園地で ③宇宙の片隅で
「だれが?」
①僕が ②君が ③おっさんが
「だれに?」
①僕に ②君に ③おっさんに
「何を?」
①指輪を ②お金を ③元気を
「どうしたか?」→
①あげた ②食べさせた ③どーん!
これは、実際のレッスンで僕が行っているものですが、こんなふうにパッと思いつきで大丈夫です。
無理にかっこいい文章にしようとかせず、「組み合わさったらどんな言葉になるか楽しみ」って感じで楽な気持ちで作りましょう。
言葉を元に1、2拍の短いフレーズを作る
ここからしっかり、音楽的になってきますよ~。
いきなり、フレーズを全部作ろうとすると難しいですが、1拍、2拍くらいなら、けっこう簡単に作れますよね?
このフレーズ作りも、言葉から音をイメージして適当に遊び感覚で作ってもらって大丈夫です!
▼僕が作ったのはこんな感じ
(今回はKey=Amとして、Aマイナーペンタで全て作ってます)
ペンタトニックスケールがわからない方は、こちらの記事を参考に。
あとはサイコロを振るだけ!
単語を6個、つまりフレーズを6個ずつ作れば、本当にサイコロでピッタリなんですが、ここでは3個しか作ってないので、好きなように①~③を組み合わせてフレーズを作ってみます。
▼試しに1つ文章を作ってみましょう
▲「今日、遊園地で、おっさんが、君に、お金を、あげた」という文章ができました。
▼繋げて弾いてみるとこんな感じ
どうですか?
ちゃんと、メロディになってますよね!
組み合わせパターンは無数なので、これだけでかなりの数のソロフレーズを作ることができます。
こうやって組み合わせただけで、もちろん使えますが、ここから想像力が湧いて新たなメロディが浮かぶこともあります。
それにメロディにこんなふうに歌詞がついてると、自然とどんな表現をして弾けばいいかも明確にイメージが湧いてくるので便利です。
短くてわかりにくい方にもう1パターン
ドラム、ベースがなく、ギターだけで「今日、遊園地で、おっさんが、君に、お金を、あげた」のフレーズだと短すぎて、捉えにくかったかもしれないので、もう少し長めに文章を作ってみました。
▼リズムとベースもつけて、文章も長くしてみたので聴いてみてください
▲先ほどの5W1Hフレーズ欄から「今日、遊園地で、おっさんが、君に、お金を、あげた。」「明日、山で、僕が、君に、指輪を、どーん!」という文章を作って、続けて弾きました。
これだけで立派なギターソロになりますよね?
こんなふうに、短いフレーズをたくさん作って、自分だけの得意フレーズを手癖に取り入れていきましょう。
実際の楽曲で使用された例
こうやって僕が教えているわけですから、これは僕が実際にギターソロ作りに使っている手法です。
なので、実際にこういう流れでギターのフレーズが出来上がっているということを、自分のバンドの曲のイントロギターで紹介しておきますね。
・イントロ部分
「タリラリラ~」のリピート⇒「タリラリ」+「ラ~」の組み合わせ。
上の文章で言うと、「今日、山で」のリピートって感じです。
「タリラリッタッタッタッタッタタラタ~」
上の文章で言うと、「今日、僕が、僕に、君が、君に、食べさせた」
みたいな組み合わせ方ですかね。
今日、紹介したものより、だいぶ複雑になってますが、このように分離させて捉えてもらえれば、ここで説明してきた内容と同じ原理でフレーズが作られているのが理解できるはずです。
・ギターソロ
ギターソロの部分はより複雑になりますが、文章や単語がもっと細かく、長くなっていると捉えてください。
そのように、ワンフレーズ単位で分けて分析してみると、「なるほど」と見えてくるものがあると思いますよ。
オリジナルとは組み合わせのこと

例えば、「私はあなたのことが好きでたまらない」って歌詞。
どこがオリジナルか?って、組み合わせがオリジナルなんですよね。
「私は」も「あなたの」も「ことが」も「好きで」も「たまらない」も元からある単語です。
ここにオリジナリティは存在しません。
「オレはオリジナルの歌詞を作るんだ」って言って、新しい単語を一個一個作る人はいないですよね?
音でも一緒です。
よく、「定番フレーズ」なんて言ったりしますが、それが単語のことです。
まずは50音を覚えて、単語を覚えて、そこから文章を作るというのが基本です。
ここでは、定番フレーズについては細かく触れていませんが、あなたがかっこいいと感じたギターソロには、ここでやったふうに細かく分けていくと定番フレーズがところどころに入っています。
まずは、たくさんフレーズを聴いて覚えたり、作ったりして、上手く単語を組み合わせて、オリジナルのものを作れるようにしていきましょう。
ソロ作りに役立つおすすめ本
音楽にはある程度パターンがあって、パターンというとなんか夢がない感じがしますが、簡単にいうと「人はこういったストーリーに感動しやすい」という定番の流れというものが存在します。
それは音楽だったり、ドラマだったり、アニメだったり、あなたが感動したものも自然とそんなパターンで作られているはず。
そのパターンだけ使えば、人を感動させられるわけではないですし、やはりオリジナリティは必要になってきます。
そんなわけで、基礎を学ぶことが大事なのですが、僕がイントロ、フレーズ作りに役に立ったなぁと思う書籍をひとつ紹介させてもらいますね。
ブルースギターの基礎?オレのやってる音楽はロックなんだ!ポップスなんだ!って方もいるかもしれませんが、現代の音楽の歴史をたどればブルースは外しては語れません。
西洋のクラシックと現代音楽という2ジャンルに分けるとしたら、ラップやヒップホップ、R&B、EDMといったものも歴史をたどればブルースの影響を受けています。
僕がこの本を読んだことで、どうイントロやフレーズ作りに役立ったかというと、「フレーズの入れどころ」を学べたということです。
本に載っているフレーズはいわゆるブルースの定番フレーズばかりなのですが、そのフレーズをどういった場面で使うと効果的か?ってことを学ぶことが大事なんですよね。
つい、フレーズというと、フレーズ自体が大事に考えがちになってしまいますが、「一番有効な場面でその音を入れられるかどうか?」が音楽としては大事なわけで、いくら良いフレーズを作ったとしても、そのフレーズが印象に残るポイントで使わなければ何の意味もありません。
そんな基礎を学ばさせてくれる大変良い教則本だと思います。
各章でコラムがあり、有名なギタリスト達のことを書いてくれているので、たくさんのギタリストを知ることもできますし、読み物としても大変面白い本です。