アマチュアのギタリストやバンドに一番多いのが、ペンタトニックスケールをただなぞるだけのアドリブやギターソロ。
そういう人ほど、スケールにはけっこう詳しかったりするんですが、ただスケールをなぞって弾いているだけなので、本人は弾けているつもりになっていても、聴く側としてはただただ延々とつまらない演奏を聴かされているだけ。
理論思考になってしまうと、「音が合っているかどうか?」ばかりに気を取られて、「音楽的かどうか?」について考えることを忘れてしまうんですよね。
別に、試験に合格するために音楽をやっているわけじゃないんですから、正しいかどうか?よりも、かっこいいかどうか?を意識してフレーズ作りすることが大事です。
初心者にありがちなフレーズ
こちらは、過去のレッスン教材として取り入れさせてもらったものですが、ギターのアドリブが上手に弾けない人が弾きそうなフレーズを再現したものです。

▲音でも確認してみましょう
なんというか、音は鳴ってるけど、特別印象に残らないし、メロディやフレーズとして捉えた時にまとまりがない感じですね。
直すべきポイントは3点
- 起承転結をつけること
- 休符を入れること
- 裏拍から入ること
レッスンでは、3点すべて解説して教えていますが、ここでは一番重要な1点を取り上げて詳しく紹介させて頂きますね。
起承転結をつける
「起承転結」は、会話や物語でも定番。
音楽だって、映画だって、お笑いだって、全てのジャンルで基本として取り入れられている手法です。
ですから、まずは、この基本に忠実に弾くことが大事です。
例に挙げたブルース進行の場合、起=1~4小節、承=5~8小節、転=9~10小節、結=11~12小節と考えます。
ちなみに、さっきのフレーズですが、「起承転結」で表すと、「起-承-承-承」な感じになってしまってるんです。
▼わかりやすく、物語に例えると、こんな感じ。
起承転結って、最初はなかなかイメージしにくいと思うので4コマ漫画をイメージするといいと思います。
起-おばあさんが、川に行って(1~4小節)
承-洗濯をして(5~8小節)
承-きれいになって(9~10小節)
承-嬉しかったです(11~12小節)
▲こんな話されたら、「はぁ、そうですか…」って感じになっちゃいますよね?
これを、
起-おばあさんが、川に行って(1~4小節)
承-洗濯をしていたら(5~8小節)
転-大きな桃が流れてきて(9~10小節)
結-切ったら、男の子が出てきた(11~12小節)
って、風にすればいいんです。
この基本に伴って、少しだけフレーズを変えてみました。
実際に変えたのは、5-6小節目と、9小節目だけ。
▼たったそれだけですが、聴こえ方が全然変わりませんか?
▼起-承は、物語が自然に進んでいく流れなので、起-の前半2小節をそのまま承-の前半2小節にも使います。
転-は、物語に変化が現れるところ。ここに違った動きを加えます。
起-おばあさんが、川に行って(1~4小節)
承-洗濯をしていたら(5~8小節) – ↑前半2小節は”起”と同じフレーズにする
転-大きな桃が流れてきて(9~10小節) – リズムやメロディに変化をつける
結-切ったら、男の子が出てきた(11~12小節)
実際には、先ほど挙げた3点のうちの残りふたつ、「休符を入れること」「裏拍から入ること」を取り入れてく必要がこのソロフレーズにはありますが、こういった工夫をひとつひとつ積み重ねていくことで、今までなんとなくペンタをなぞってしまうだけだったアドリブやギターソロが劇的にかっこいいソロへと変化します。
まずは、ここで学んだ重要な1点、「起承転結をつけること」を意識して練習してみてください。
かっこいいソロが弾きたい人向けお役立ち書籍
いくら原理が分かっても、いきなり自分でフレーズを考えるのはとても難しいものです。
プロのギタリスト、上手なギタリストはみんな、今までコピーしてきた曲のフレーズや練習を繰り返し弾くことで身につけた「手クセ」というものがあります。
そういった個々の手クセが、ここぞという場面でのかっこいいフレーズになっていたりします。
なので、まずは沢山の手クセを身につけること。
それが、かっこいいソロを弾くための最短ルートだと思います。