よく、ギターの生徒や、読者の方に「プロとアマの違いって何ですか?」と質問されることがあります。
プロの定義は、質問者にとって様々ですが、大きく分けてこんな感じです。
「音楽だけで生計を立てられている」
「音楽でお金をもらって仕事をしている」
「メジャーデビューしている」
「CDを全国流通している」
「大規模な音楽フェスに出演している」
僕の場合、今はフリーのミュージシャンとして活動していますが、メジャーデビューの経験はありますし、CDも全国流通していますし、ROCK IN JAPANなどの大型フェスにも出演しています。
この頃は、音楽だけで食べられている状態ではありませんが、これをプロの定義として考えている方にならば、的確なアドバイスができると思います。
また、現在はアーティストのサポートやレコーディングなどでギターを弾くことでギャラをもらっていますし、ギター講師をやったり、こういった音楽関係のコラムを書くことで収益を得ています。
どれかひとつだけで食べていける状態ではありませんが、全て音楽に関わる仕事なので、「音楽で生計を立てている」「音楽でお金をもらって仕事をしている」ということをプロの定義として考えている方についても的確なアドバイスができると思います。
そんなわけで、色んなジャンルを網羅している僕だからこそ答えられる、バンドマン、シンガーソングライター、作詞作曲家など、どのジャンルに置いても共通する部分、つまりプロの考え方とアマの考え方の違いについてお話させていただこうと思います。
目次
「お金に余裕ができたら~」という人はプロになれない

僕は、音楽教室を運営していて、教えている生徒たちの中からプロになるギタリストも数多く輩出しています。
そういった経験のおかげで、プロになる前の状態からプロになるまでの過程を見れているので、まずはレッスンを習いに来る生徒を例にお話していきます。
僕のギターレッスンでは、体験レッスンを行っているんですが、体験レッスンを受けた後に、こう言ってくる方がいるんです。
「お金に余裕ができたら、習いに来たいです」
体験レッスンはキャンペーン時は無料の時もありますし、一度お試しで受けてみようとやってくる生徒はいるのですが、通常のレッスン料は決してお安いものではありませんから、こう答える方もけっこういます。
その中には、プロを目指すギタリスト、バンド活動をしているギタリストもいて、こちらもその事情を確認してプロになるためのプランを提示させてもらいます。
「これから継続してレッスン受講する気はあるの?」
「君のレベルだと、プロになるにはこれくらいの期間が掛かるし、月○回習いにくるのがベストだよ」
と言うと、
「ちょっと今はお金に余裕がなくて…なのでお金に余裕ができたらぜひ習いに行きたいと思ってます。」
と、返事を返してくる方がいるんです。
「お金に余裕ができたら習いにきます」という理由が、僕に気を遣った建前としての断りなら別にいいんですが、本当に「お金に余裕があったら習いたい」と思っていたらその人はプロにはなれません。
「時間に余裕ができたら~」という方もいますが、こちらも同様にプロにはなれません。
僕は音楽業界、バンド業界の動向が気になるので、体験レッスンを受けにきた方のその後もネットやSNSでチェックさせて頂いているのですが、1年経っても、2年経ってもみんな状況は変わらず平行線のままです。
レッスンに意味を感じるのに習わないのが問題

体験レッスンを実際に受けてみて、「習っても上達しなそうだなぁ」「習ってもお金の無駄だな」と感じて、習わないのなら何も問題ありません。
ですが、「習ったら、今より上達しそう」と感じたのに、習わないと選択してしまうなら、その判断は間違いです。
逆にレッスンを習いに来た生徒は、着実に技術や知識を身につけて、業界内で知名度を上げたり、活動の幅を増やしていきますが、それは僕の教え方が良いからではありません(もちろん、それもあると思いますし自信は持っていますが極論として)。
「1ヶ月で6000円分の技術を身につけよう」
「1か月で10000円分の知識を身につけよう」
という決意とやる気が、本人にあるからなんですよね。
そして、それを継続し続けるからプロになれるわけです。
今の豊かな日本の社会で、お金のない人なんていません。時間のない人なんていません。
飲み代を1、2回我慢すれば、レッスン料なんて払えますし、一カ月1日も休みの日なく働いている人なんてそういませんから、必ず時間は作れるんです。
だから、ただ本人にとって、「プロになる」ということの優先順位が違うだけなんですよね。
レッスンに習いに来ない人は、「プロになること」より「飲みに行くこと」のほうが優先順位が高いんです。
「プロになること」より「休日遊びに行くこと」のほうが大事なんです。
300万円のギターって高い?安い?

メジャーデビューしたギタリストって、50万~100万くらいのギターを使っている人がけっこういるんですけど、これってデビューしてから買ったわけじゃないんです。
まだまだ駆け出しで、ファンも知名度もない状態の時に借金したり、ローン組んで、そんなバカ高いギターを買ってるんです。
その時の収入には見合わない買い物です。
「お金に余裕はない」んです。
だけど、買うんです。
どうしてだと思いますか?
将来、そのギターで100万以上稼げると信じているからです。
手持ちの金銭事情で見れば高い買い物だけれど、100万のギターを買うことで近い未来、100万円以上の稼ぎを得られるのですから、本人にとっては安い買い物なんです。
そういう思考回路だってことです。
僕は、対バンしたバンドのギタリスト(いわゆるプロですね)からも「レッスンを受けたい」と声を掛けられることがあるのですが、そんなプライベートでも飲みにいくようなギタリスト仲間でもレッスン代はちゃんと払おうとします。
ちゃんと、レッスンを受けることの価値を知っているからです。
逆にアマチュアレベルのギタリストほど、慣れ合いでタダでギターを習おうとしてきます。
音楽でいくら稼ぎたいか?それが大事

「プロを目指す」ということは、「音楽で収入を得ることを目指す」ということです。
ライブハウス規模でも、一回の公演で数百万の売上げを出すことは可能ですし、会場が大きくなれば数千万、数億となってきます。
利益として考えると、そこから経費、バンドならメンバー数に分配されることになるけれど、それでも10分の1前後の収入は得られます。
アーティストが、テレビなんかで「ウン百万のギター使ってます」とかいう話、見かけたりしますよね。
一般の人から見れば、ものすごく高く感じるかもしれないが、アーティストはそれを使って収入を得ているわけで、300万円のギターを使って、年収2000万円なら1700万の利益になるんです。
年収300万でも、それが一生モノのギターなら安い買い物でしょう。
バイオリニストになると、数千万~億のバイオリンを使っていたりするんですが、それ一本で一生稼ぐのだから、やっぱり安い買い物です。
まず最初に、
「いくら稼ぐのか?」
を、真剣に考えてみましょう。
そうすれば、いくら投資するべきか?が自然と見えてきます。
投資という目線で見つめられているか?
例えば、あなたにお金持ちの親友がいたとして、こんなこと言われたらどうですか?
「今月10万貸してくれないかな?3か月後30万にして返すから」
どこの誰とも知らない人なら怪しい話と無視しますが、信頼できる親友であれば信じて貸しますよね。
要は、あなたがその親友と同じくらい自分を信じてあげればいいというだけの話です。
さすがに300万円のギターをいきなり買うというのは、少し無謀かもしれませんが、ギターのような数年使い続けるものに関しては年収の5~10%、レッスンや書籍といった一生役に立つ技術や知識のために、月の収入の5~10%使うくらいは無理のない範囲でできる投資だと思います。
もちろん、最低限生活できる範囲で、投資額が大きいほど良いです。
このパーセンテージが、自分に対しての信頼度です。
余裕なんて一生できない

「お金に余裕ができたら~しよう」「時間に余裕ができたら~しよう」って言っている人が、実際にお金や時間に余裕ができたところを僕は見たことがありません。
もし、できているように見えたなら、それはお金(時間)に余裕ができたのではなく、今あるお金(時間)の中から自分で余裕を作っただけです。
現実的な目線で、年収180万でもいいから、音楽だけで食べられればいいや、ってレベルで考えてみましょう。
つまり、月収にすると15万円です。
これが今のあなたの目標だとします。
その年収を稼ぐために、例えば月10000円分の自己投資をしたとします。
1年で12万、2年で24万円、3年で36万円の投資になります。
あなたが3年後、音楽で月収15万円得られるようになったら、3年分のレッスン料36万円を、たった3か月で取り戻せるんです。
ものすごい安い買い物だと思いませんか?
だけど、みんなこれができないんです。
こんな簡単で、お得なことをしようとしないんです。
音楽を仕事にして、いくら収入を得たいのか?
その為にどんな技術や知識が必要なのか?
今一度、しっかり考えてみて下さい。
それが、身につけば投資した額なんて簡単に取り戻せます。
おすすめ書籍
ひたすらギターを弾いたり、音楽の勉強しかしてないあなたにはこの本がオススメ。
プロになるには、今までの思考回路、生活習慣の見直しが一番重要です。
この本は世界中の名著のエッセンスがこの1冊でわかる! という超簡単な自己啓発入門書。
『人を動かす』(デール・カーネーギー)、『思考は現実化する』(ナポレオン・ヒル)、『7つの習慣』(スティーブン・R. コヴィー)、『道をひらく』(松下幸之助)…
「あ、その本、知ってる! 」という人も多い名著、だけど実際に読んだことはなかったり…。
そんな世界中の自己啓発の名著を50冊のエッセンスがこの本ひとつにまとめられています。
・会話の終わりに相手の名前を呼ぼう。
・いつもより5分だけ早く起きてみよう。
・財布や手帳に「ほしいものカード」を貼ろう。
・エレベーターに乗ったら率先してボタンを押そう。
・身近な人に1000円以内のプレゼントをしよう。
ね、簡単でしょう?
これだけで、あなたの人生変わりますよ。