「音作り」の悩みから、イコライジングについて設定や使い方、またオススメの設定例を学ぶ方も多いです。
基本の使い方くらいは覚えておくといいかもしれませんが、音抜けの悪さや音圧のなさをイコライザーのセッティングのせいにするのは、ギタリストとして上達の道から遠ざかってしまっているかもしれません。
内容的には、精神論めいた話になりますが、ギターをレッスンで教えれば教えるほど、「精神を変えてあげる」という作業に時間を割くことが一番重要に感じています。
一度、上手な人の音を生で聴けば、きっとあなたも納得できると思いますが、遠方でプロのミュージシャンと接したり、レッスンを受ける環境がない方のために、できる限り言葉でお伝えできればと思います。
目次
良い音を作れれば、上手、かっこいい

まずは、根本から。
「良い音が作れれば、上手く聴こえる、かっこ良く聴こえる」
と、思ってないだろうか?
実際、レッスンに来る人にも、この悩みは多いし、僕ももちろん音作りにずっと悩んでいた時期がある。
一言でいうと、音作りに悩む人ほど、大した技術がないということ。
「上手くなれば、かっこ良くなれば、良い音が出る」
僕は、こちらのほうが正しいと思っている。
「良い音を作ること」が解決策に思っている人が多いが、そこに向かっても答えは出ない。
良い音は、金で買える

くらいに思ったほうがいい。
高いエフェクターを買えば、優秀なPAに音作りしてもらえば、優秀なエンジニアを雇えば、いくらでも簡単に音は良くなる。
根本について語っているが、カメラでいえば、画質を上げるようなもの。
簡単、いいカメラを買えばいい。
だけど、画質が上がったところで、撮った写真はいい写真になるか?ということ。
まずは、それに見合った技術、センス、モデルを揃えることのほうが大事だろう。
高級アンプほど、音が悪い
音楽スタジオでは、あまり見かけないかもしれないが、数十万するアンプはけっこうある。
ライブなどで、プロが弾いているのを見て、「めちゃくちゃいい音するなぁ。あのアンプがいいんだなぁ」って思ったりするかもしれないが、初心者がそれを弾いてみると「何これ、音しょぼ」ってなったりする。
良いアンプというのは、簡単にいうと「弾き手のタッチがそのまま音に出る」アンプだ。
上手い人は、弾いたとおりにアンプが反応してくれるほうが表現豊かになるのでありがたいが、下手な人は弾いたものよりかっこ良く聴こえてくれるアンプを好む。
プロがカラオケでエコーを嫌い、歌の苦手な人ほどエコーを掛けたがるのと同じ原理だ。
楽器ってどこで音を出すの?
みんな、出力先がアンプやスピーカーであることは知っているが、音の入力が手元から起きていることをあまり意識していない。
レッスンなんかでもいいし、周りに上手い人がいたら、自分のギター、自分のエフェクターを全く同じ設定で渡して弾いてもらうといい。
明らかに、自分が弾くのと音が違う。
昔、スタジオでバンドマンが集まって、ひとつのギターを回しながらセッションしたことがあったが、十人十色、みんなそれぞれ違った音がしていて、自分でもその聴いてわかるほどの変化に驚いたことがある。
本当に音作りが必要なのか?

本当に音作りが必要なのか?
音作りが、解決策なのか?
音作りが、今一番手をつけるべきことなのか?
もう一度、考えてほしい。
実際にレッスンをしていて、そういう悩みでやってくる人間がいるが、レッスンを進めていくに連れて、いつの間にか音作りの悩みは言わなくなり、だけれど、どんどん音が良くなっていっている、というのは事実である。